BOSS WAZA CRAFT BD-2W Blues Driver 解析


BOSS BD-2に引き続き、WAZA CRAFTのBD-2Wではどのように変わったのか解析していくことにしました。解析に使ったのは2022年製の個体(上写真)で、日精電機製の黄色いフィルムコンデンサが使われています。KiCadとLTspiceの回路図データ、基板画像はGitHubにあります。



▽基板画像

部品番号があり、小さな表面実装部品がないためそこまで難易度が高くありません。抵抗値が読めるので、取り外すのは一部のコンデンサだけで済みました。

▽回路図
BOSS BD-2W schematic
公式サイトの説明に完全ディスクリート構成とある通りオペアンプはありませんが、スタンダードモードの特性は通常のBD-2とほぼ同じです。8ピンのICはアナログスイッチTC7W66FKで、2回路入りのものが4つ使われています。
  • 入力バッファ
    バイアス電圧が入力部だけ別になっており、他の部分からのバイパス音への影響を排除していると思われます。画像検索で確認すると、SD-1Wでも同様の措置がしてあるようです。SMDバージョンのBD-2と同様に、FETのソースには定電流回路があります。時期的には2014年発売のBD-2Wに先に採用され、その後他の機種にも使われていったのではないかと思います。

  • 未実装の抵抗 R9 R32 R41
    FETスイッチ部のダイオードに並列に入っている抵抗は未実装となっていますが、SMDバージョンのBD-2では100MΩ抵抗が実装されています。DIYstompboxes.comのFETスイッチに関するスレッドには、スイッチオン時のFETのゲート電位は、ダイオードとFETのリーク電流の差により設定されると掲載されています。あくまで推測ですが、ダイオードに並列接続された抵抗の役割は、この電流をある程度確保することではないかと思います。通常はなくても問題ない抵抗ですが、FETやダイオードの個体差によっては動作が不安定になることがあったのかもしれません。



▽シミュレーション
スタンダードモード(s)とカスタムモード(c)の違いについて、周波数特性を貼り付けておきます。※アナログスイッチのオン抵抗(50Ω程度)は省略しています。








ピークの周波数が125Hzから135Hzへと変わっています。

下図は回路全体を通しての特性です。

公式サイトには、カスタムモードは「繊細なピッキング・ニュアンスに反応する図太く粘りある極上のサウンド」と説明があります。確かに周波数特性としては中音域がやや盛り上がった形になっています。また、クリッピングの前後のフィルタ調整により、歪みの質感を変更するという意図もありそうです。あまりに変化が大きいと通常のBD-2とかけ離れてしまうので、絶妙な加減の調整となっていると思います。

タグ : 市販エフェクター 回路図 歪み 周波数特性 

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No title

はじめまして。
ブログ記事、拝見させていただきました。
解析を始め、すごい探究心ですね。尊敬します。
私も、サウンドの探求のために、ぜひ色々参考にさせていただきたいのですが、解析の機材や、解析方法はどのようにしているのでしょうか?
お忙しい中大変恐縮ですが、ご教示いただけると幸いです。

どうもはじめまして。コメントありがとうございます。
解析対象の機材は基本的に中古品やジャンク品ですが、BD-2Wのように中古と新品の値段があまり変わらない場合は新品を購入することもあります。解析方法については特別なことはしておらず、地道に部品同士の接続をトレースしています。
今度ともどうぞよろしくお願いいたします。

R9 R32 R41 の件

こんばんは
はじめまして

以下 FET SW On 時限定での話になりますが、この時ダイオードの PN 接合は逆バイアスで FET の PN 接合は正バイアスになります(信号レベルが FET SW 制御信号レベルを超えない限り)。リーク(?)電流の量は逆 < 正ですから、リンク先(https://www.diystompboxes.com/smfforum/index.php?topic=95789.0#msg830794)の説明にあるダイオードの漏れ電流 << FET の漏れ電流であることの要求はまず間違いなく満たされます(「<<」 は「十分に大きい」)。これが FET SW 入力(ソース・ドレイン)とゲート間に抵抗(擬似的な漏れ電流)が無くても問題なく動作する理由です。
この(ダイオード並列)抵抗の存在理由は、ダイオードのリーク電流最小値が不明であることを嫌っただけであり、ある程度以上の漏れ電流があると信号入力へのゲート電位の追従が悪くなる(つまり歪む)。

No title

ありがとうございます!

別記事でおこなっているFFTは、何かアナライザでやっているのでしょうか?

Re: R9 R32 R41 の件

> mrotqch さん
こんばんは。どうもはじめまして。
ご説明ありがとうございます。私も「ダイオードのリーク電流最小値が不明であることを嫌った」と考えています。ブログ本文は、もう少し自分の中で理解を深めてから書き換えたいと思います。

> SS さん
FFTはPCとオーディオインターフェースを使っています。WaveGene、WaveSpectraというフリーソフトで得たデータを、表計算ソフトでグラフにしています。
https://drugscore.blog.fc2.com/blog-entry-261.html

No title

ありがとうございます!
なるほど!そういうやり方があるんですね。
僕もやってみます!
最近のソフトってすごいですね。。。
管理人

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