歪みと波形・倍音その6(ダイオードの位置)

歪み系エフェクターでは多くの場合、波形クリップのためにダイオードが使われます。ダイオードクリッパーとかクリッピングダイオードという呼び方があるようです。このダイオードの回路上の位置を変更し、波形・倍音の違いを調べました。

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▽回路図
12_193_1diodeppxc.png
非反転増幅回路の帰還部分にダイオードを入れる場合をODタイプ、出力にダイオードを入れる場合をDSタイプと勝手に呼ぶことにします。偶数次倍音も出るように、非対称クリッピングにしました。入力は1kHzサイン波、約0.14Vrmsです。音量はDSタイプの方が小さくなるため、各タイプ録音後ノーマライズしています。
※Twitterにて指摘をいただき、回路図左上にコンデンサを追加しました。増幅率を変更し、全データを差し替えています。(2017年8月12日)

▽11倍増幅
12_193_2diodepg11x.png
ODタイプの方が倍音が多そうに見えますが、なんともいえない感じです。聴感上は、ODタイプの方が高域が出ているように感じました。

▽21倍増幅
12_193_3diodepg21x.png
2~6次倍音はDSタイプの方が多く、7次倍音以降はODタイプの方が多いです。聴感上も、ODタイプの方が高域が出ているように感じました。

▽34倍増幅
12_193_4diodepg34x.png
DSタイプの方が歪率が高く、全体的に倍音が多いです。聴感上はあまり違いがわかりません。波形については、どの増幅率でもODタイプの方が丸みを帯びた形になっています。

さらに増幅率を上げていくと、ODタイプは歪率が31%程度で頭打ちになったので、深い歪みは得にくいようです。DSタイプは歪率が上がり続けましたが、波形の角が鋭くなるので、ICの歪みが混ざっていると思います。



・総評(のようなもの)

ODタイプは高次倍音が出やすい(クリアな音に感じる)、DSタイプは低次倍音が出やすい(太い音に感じる)というような傾向がわかりました。LED対称クリッピングでも測定しましたが、同じ傾向のようです。丸い波形になるODタイプの方がなんとなく低域寄りな音になるイメージがあったので、意外な結果となりました。

---以下2017年8月20日追記---

▽LTspiceでのシミュレーション結果(21倍増幅)
12_193_5diodepg21xs.png
入力電圧は0.12Vrmsで同じぐらいの歪率になりました。実測と違う部分はあるものの、倍音の出方の傾向は大体同じといってよいと思います。シミュレーションでも歪みの特徴は充分参考になるようです。

タグ : 歪み 波形・倍音 

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