■実験等

■MOOER Micro Preamp 006 分解

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前回特性測定したMOOER Micro Preamp 006ですが、ろくに弾きもせずに分解してしまいました。中身がどんなものか記録しておきます。

フットスイッチはバネで基板上のスイッチを押すタイプです。長押し機能が実装されている関係で、オンオフ切替やチャンネル切替はフットスイッチを押した時ではなく離した時になっています。DCジャックは基板直付けではなくコネクタが使われていました。ケースのみの大きさは縦91mm横37mm高さ31mmで、縦横はHAMMOND 1590Aより1.5mmほど小さいです。基板は2枚重ねで、はんだ付けされたピンヘッダを取り除かないと分解できません。無事に元に戻せましたが、結構大変でリスクが高いと思います。

▽基板写真
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左側基板には黒いゴムの円柱があり、基板同士の隙間を保つために取り付けてあるようです。ジャック上側にはバイパス用と思われるリレー(HFD4/3)があります。定電圧レギュレータはμPC29M08とAMS1117です。

▽IC類写真
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左写真右上のIC(印字「415 XTFM」)は415の左隣の文字がかすれていて役割がわかりませんでした。その他のICは下記の通りです。
・MC33078 → オペアンプ
・TLC2262 → オペアンプ
・CS4272 → オーディオコーデック(ADC/DAC)
・GD25Q41BT → フラッシュメモリ
・ADSP-21477 → DSP
・STM32F030F4P6 → マイコン

■MOOER Micro Preamp 006 特性測定

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MOOER Micro Preampは小型デジタルプリアンプということで、中身が気になり購入してみました。元になったモデルはぼかしてあることが多いですが、006の場合「Based on Fender blues deluxe」と公式動画に記載があります。とりあえずろくに弾きもせずに特性を測定しました。以下オーバードライブチャンネル(LEDが赤に点灯)をAch、クリーンチャネル(LEDが青に点灯)をBchと表記しています。

▽波形・倍音(Ach)
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真空管の歪みのはずですが、特に偶数次倍音が出やすいというわけではありませんでした。

▽周波数特性
<ゲイン変更・キャビネットシミュレータ>
AchとBchで1kHz時同じ音量になるように調整しています。BASS、MID、TRE全て5(12時の位置)です。
14_226_3mp006g.png
AchではBchより高域と低域が削られていることがわかります。ゲインを上げた時の特性変化はほとんどなく、わずかに高域が落ちる程度です。キャビネットシミュレータをオンにした時の変化幅はAchとBchで変わりません。

<Ach>
14_226_4mp006g.png
<Bch>
14_226_5mp006g.png
トーンコントロールの効き方はAchとBchで変わりません。あまり変化幅は大きくなく、BASSとMIDはグラフィックイコライザの変化のような感じに見えます。マニュアルには下記のように記載があるので、コントロールの変化の仕方は元になったモデルと同じではないということがわかります。
3つのノブを全て12時の位置にするとプリアンプはMooerにてアナライズした時のサウンドになります。時計回りで周波数をブーストし、反時計回りでカットします。各ノブの帯域はモデルごとに最適に調整されています。

▽レイテンシー→測定方法はこちら
14_226_6mp006w.png
約0.6msです。1ms以下というのがもはや当たり前になっているのかもしれません。

ノイズも測定しようとしましたが、私の環境では測定限界以下だったので特に問題ないでしょう。ハードウェアについては別記事にしました。→MOOER Micro Preamp 006 分解

■MOS FETリレー G3VM-21GR 特性測定

SPSTモーメンタリースイッチでエフェクトのバイパスをする場合、リレーとマイコンを使うのが簡単だと思います。しかしながらメカニカルリレーは入手性や電力消費の点でイマイチかなと考え、MOS FETリレーを試すことにしました。

MOS FETリレーはソリッドステートリレーの一種で、各メーカーで同様の商品がありますが名称が違います(フォトリレー、Photo MOSリレー等)。参考ページ→オムロン リレー 技術解説
通常のものはオン抵抗RONや端子間容量COFFが大きいため、バイパスに使用する場合はバッファーが必要となってしまいます。そこで今回は低オン抵抗・低端子間容量タイプのG3VM-21GR(RON=5Ω、COFF=1pF)というMOS FETリレーを選びました。エフェクターでよく使われる青い3PDTフットスイッチと比較検討します。
14_222_1G3VMp.jpg
G3VM-21GRは表面実装部品なので丸ピンソケットにはんだづけしました。フットスイッチは同じ大きさの黒いものも測定しましたが、青のフットスイッチと大差なかったので結果からは省いています。

ハイインピーダンス条件下での使用を考慮し、以下の接続としました。
  [擬似ギター出力]→[リレーG3VM-21GR]または[フットスイッチ]→[バッファー(入力インピーダンス1MΩ)]→[PCマイク入力]

スイッチオン時に音質が変化しないのはもちろん重要ですが、スイッチオフ時も下図のようにハイパスフィルターを形成して高域が漏れることが考えられるので、そのあたりについても確認します。
14_222_2G3VMs.png
※配線が近いだけでも容量が増加してしまうので注意が必要です。

▽結果
14_222_3G3VMd.png

<スイッチオン時の特性変化>
周波数特性はほとんど重なっていますが、よく見るとリレーでは高域が下がっています。まぁごくわずかなので大丈夫でしょう。歪率についてはほぼ変化はありません。

<スイッチオフ時の音漏れ>
リレーではオンオフの差が-21dB(10kHz)となっており、ブースターやハイゲインエフェクターでは問題が出てくるかもしれません。エフェクターに組み込んだ後、どの程度影響があるか測定する予定です。フットスイッチでもわずかに漏れがあることがわかりましたが、実際のトゥルーバイパス配線ではオフ時にエフェクト回路の入力をアースに落とすので、問題になることはないと思います。

---以下2018年6月14日追記---
14_222_4G3VMb.png
まず上図上側のバイパス方法を試しましたが、音漏れがあり発振しやすい上、切替時に少しポップノイズが出ました。その後下側の回路に変え音漏れや発振はなくなりましたが、ポップノイズは消えませんでした。スイッチングの順番をいろいろ変えてみましたがダメなようです。バッファーを入れて考え直すことにします。

■ArduinoとATtiny13Aを使う

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自作エフェクターをやっていてマイコンにも興味があるという方は多いだろうと思います。今回ArduinoとAVRマイコンATtiny13Aを使ってみたので、簡単にまとめておきます。※Arduino Nano互換機、Arduino UNO互換機で動作確認しました。



<Arduinoを使う>
Arduino本体については、Amazon等でArduino UNOやArduino Nanoの互換機が安価で手に入るのでそちらを購入しても問題ないと思います。※ただし、ドライバのインストールが必要な場合があります。参考ページ→Arduino NANO 互換品(CH340チップ使用)のデバイスドライバー CH341SER.ZIPダウンロードページ

Arduino IDE(開発環境)をダウンロード、インストール
  公式サイト解説→Getting Started with Arduino and Genuino products

・ボード上のLEDを点滅させる(Lチカ)
  1) PCとArduinoをUSBケーブルで接続、Arduino IDEを実行
  2) ファイル→スケッチ例→01.Basics→Blink
  3) ツール→ボード→(使っているArduinoの種類を選択)
  4) ツール→シリアルポート→(Arduinoを接続しているポートを選択)
  5) スケッチ→マイコンボードに書き込む
  公式サイト解説→Getting Started with Arduino and Genuino UNO

書き込みに成功すれば、すぐにLED点滅が始まります。※古いArduino Nanoを使う場合はツール→プロセッサ→ATmega328P (Old Bootloader)とする必要があるようです。



<ATtiny13Aを使う>
マイコンにプログラムを書き込むには、通常書き込み機器(ライター)が必要です。今回はArduinoをAVRライターにします。以下のようにArduinoにスケッチを書き込みます。
  1) PCとArduinoをUSBケーブルで接続、Arduino IDEを実行
  2) ファイル→スケッチ例→11.ArduinoISP→ArduinoISP
  3) ツール→ボード→(使っているArduinoの種類を選択)
  4) ツール→シリアルポート→(Arduinoを接続しているポートを選択)
  5) ツール→書込装置→AVRISP mkII
  6) スケッチ→マイコンボードに書き込む

そしてATtiny13Aを使う準備をします。下記ページで詳細に解説されています。
Arduino IDE で ATtiny 他の開発Arduino IDEにATtiny10/13の開発環境を組み込む

ATtiny13AにLED点滅のスケッチを書き込みます。

▽接続図
14_221_2att.png
▽スケッチ
void setup() {
pinMode(3, OUTPUT);
}

void loop() {
digitalWrite(3, HIGH);
delay(500);
digitalWrite(3, LOW);
delay(500);
}

1) 接続図の通り接続し、PCとArduinoをUSBケーブルで接続、Arduino IDEを実行
2) 上記スケッチを入力
3) ツール→ボード→ATtiny13(bitDuino13)
4) ツール→Clock→1.2MHz(Internal)
5) ツール→シリアルポート→(Arduinoを接続しているポートを選択)
6) ツール→書込装置→Arduino as ISP
7) スケッチ→書込装置を使って書き込む ※1回目失敗する場合2回行う

クロック周波数を変えるとdelay関数等の時間も変わります。クロック周波数が低い方が消費電流が低いので、特に必要がない限りは1.2MHzでよいと思います。

■タグ : マイコン

■monomonster Relay Bypass Module 解析

SPSTモーメンタリースイッチを使ってトゥルーバイパス+LED切替が実現できるmonomonster Relay Bypass Module (RMB)というものがGarrettaudioで販売されています。一体どういったものなのか興味があり、購入後回路を調べてみました。

▽基板写真
14_217_1rbmp1.png 14_217_2rbmp2.png

▽回路図
14_217_3rbms.png
ATTiny13AというマイコンとHFD31/5-L1というラッチリレーが使われています。やたらとフィルムコンデンサが大きいので、積層セラミックコンデンサに変えてもよさそうです。出力側にある2N7000はスイッチングノイズ軽減の役割があると思われます。エフェクト回路の入力をGNDに落とすため、リレーの2番端子はGNDに繋ぐのが普通かと思いますが、基板裏のベタパターンが離れているために実際はどこにも繋がっていません(表のベタ塗りを忘れたのかも)。

スイッチングの様子を録音しました。
14_217_4rbmsw.png
スイッチング時10ms程度出力がミュートされるプログラムとなっているようです。しかしながらMOSFETは構造上ダイオードが入っている(寄生ダイオード)ため、音量が大きいと波形がクリップされます。2N7000を外した場合は、スイッチング時大きくノイズが入ります。たぶん通常の3PDTスイッチと同じ程度のノイズだろうと思います。試しに2N7000を2SK303に差し替えた場合(足を曲げる必要あり)も録音しましたが、この場合はIdssの影響か音量が下がり波形も歪んでしまいました。

結局このモジュールはそのままでは使いにくいという結果となりました。回路採取にミスがないとも言い切れませんが……とにかく購入される方は注意が必要だと思います。

■タグ : 回路図

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