FF1815G(FFM2風ファズフェイス)


FF108B & FF1815に引き続き、無選別の2SC1815-GRを使ったファズフェイスを製作しました。今回は、ゲルマニウムトランジスタが使われているファズフェイスFFM2(Jim Dunlop GERMANIUM FUZZ FACE MINI)の音に近づけられるのかどうか検証してみます。



▽回路図

FFM2実機を分解するの少し大変なので、こちらのページの内部写真を参考にしました。FF1815と同様、トランジスタは2SC1815-GR(JCET製)です。周波数特性を合わせるため、コレクタ-ベース間のコンデンサ容量が大きめの値となっています。

FF108B & FF1815の記事で記載した通り、hFEを同じにしないと厳密に同じ音にすることはできないと思われます。ゲルマニウムトランジスタはhFEが低いものが多いため、それに合わせるためにトランジスタ2個と抵抗器1個を組み合わせる方法があります(参考ページ→Piggyback Si transistors to simulate Ger ???)。ただ、今回は手軽さを重視してトランジスタは単体で使用し、歪率や倍音構成が近くなるようにトリマーを調整しました。

▽周波数特性(VOLUME 100% FUZZ 100% 気温24℃)

FFM2では入出力のカップリングコンデンサの容量が大きく、低音域があまりカットされません。また、ゲルマニウムトランジスタはコレクタ-ベース間の寄生容量が大きく、高音域が下がっています。

▽波形・倍音
<FFM2>


<FF1815G hFE(Q1)=312 hFE(Q2)=312 Vc1=1.71V Vc2=4.04V>


歪率が低い時、FFM2のクリッピングは丸みを帯びた形です。倍音構成がキレイに斜めに並び、ややこもったように聞こえます。このあたりがゲルマニウムトランジスタらしさの要因ではないかと考えられます。動画でも注意深く聞くとこの特徴がわかるかと思います。



タグ : 自作エフェクター 歪み 回路図 周波数特性 波形・倍音 

BOSS DS-1X Distortion 修理・特性測定


音が出ないジャンク状態のBOSS DS-1X Distortionを手に入れたので、修理し特性を測定しました。色は違いますが、OD-1Xと全く同じ基板のようです。



【修理】


何やらカラカラと音がしており中を見てみると、電源部のインダクタが端子部分から外れていました。前の持ち主は半田付けで修理を試みたようです。現在は生産終息品のインダクタ(型番ELL6UH221M)だったので、大きさが違う別のもの(型番SHP0745P-F221A)を何とか取り付けました。これでOD-1Xと同じ3.2Vが出力され、音も無事に出るようになり修理完了です。動作確認後、交換したインダクタ付近はホットボンドで固めて動かないようにしておきました。インダクタは漏れ磁束があるので本来は取り付ける向きも同じにした方がいいのですが、磁気シールド構造になっているので大丈夫でしょう。



【特性測定】※各ノブの設定は最大を100として記載

BOSS公式サイトには、多次元的信号処理技術「MDP」を用いていると記載があり、複雑な信号処理が施されていると思われます。単純な特性測定ではあまり意味がないかもしれません。

▽波形・倍音(LOW 0 HIGH 0 DIST 50)

対称な波形で、奇数次倍音が多いです。

▽DIST変化時の周波数特性(LOW 50 HIGH 50)

設定値0~100で約40dB変化します。ゲインを上げたとき高音域が微妙に変化するようです。

▽LOW変化時の周波数特性(HIGH 50 DIST 0)

100Hz付近を増幅しますが、そこまで特殊な動きではありません。

▽HIGH変化時の周波数特性(LOW 50 DIST 0)

OD-1Xより高音域側が動いています。0~25と50以降では、4kHz付近がほとんど上がらないよう調節されています。

▽GT-1000CORE内蔵X-DISTとの比較(DIST 0)※GT-1000COREの設定値-50~+50は0~100として記載

5kHz以降の高音域の出方が違っており、内部処理が変更されているということがわかります。ただDS-1Xの内部プログラムがアップデートされている可能性があるため、現在はどうなっているのか不明です。

タグ : 市販エフェクター 歪み 波形・倍音 周波数特性 

BOSS OD-1X OverDrive 修理・特性測定


ポットに不具合がある状態のBOSS OD-1X OverDriveを手に入れたので、修理し特性を測定しました。修理の過程でノブが変更となっています。

以前修理したBOSS ML-2は2007年発売、OD-1Xは2014年発売です。電源用ICのBD9851は同じですが、オーディオコーデックがAK4552からAK4556にグレードアップしています。また、ML-2ではLEVELコントロールがアナログ回路部分にありましたが、OD-1Xではデジタルプログラム上でのLEVELコントロールになっています。設計見直しやオーディオコーデックの性能アップにより充分低ノイズになったと判断されたということでしょう。



【修理】

症状を確認してみると、ポット内部の接触不良のためか、DRIVEの動きが不安定です。無理な力が加わった様子はないので、単純なポットの劣化なのかもしれません。


最初に手持ちのミニポットに交換したところ、ネジ部の長さが足りずナットがつけられませんでした。金属パネルが分厚いのでネジ部が6.5mm程度必要なのですが、シャフト全長15mmのミニポットはネジ部5mmが普通のようです。Tayda Electronicsでネジ部6.5mmのものを見つけたのですが、商品ページの誤表記でした(現在は訂正されています)。

OD-1Xのポットはたぶん特注で、ネジ部が長いのに加えてDシャフトの切り欠き位置が180度逆です。あきらめかけていましたが、ソリッドシャフトでネジ部6.5mmのものがGarrettaudioにありました。元々ついていたDシャフト用ノブは使えないので、雰囲気が近い別のメタルノブをついでに購入しました。

基本的にデジタルエフェクターのポットは単純な分圧の役割をしています(下図)。2番ピンの電圧をA/Dコンバータ (ADC)で読み取ると回転角がわかるという仕組みです。例えば、基準電圧が5Vで2番ピンの電圧が1Vだと、ポットの回転位置は20%となります。

ポットの抵抗値は、小さいと無駄な電流消費になってしまいます。大きすぎると、ノイズが入ったり、ADCの入力インピーダンスとの兼ね合いでカーブが直線的にならなくなったりすることが考えられます。

BOSSでは50kΩのポットが使われています。今回は50kΩのポットが終売だったので25kΩのものを購入し、念のため4つ全て交換しました。10kΩや100kΩでもまず大丈夫だと思います。ポット取付基板には、ノイズ除去用と思われるコンデンサが実装されているのが確認できます。



【特性測定】※各ノブの設定は最大を100として記載

BOSS公式サイトには、多次元的信号処理技術「MDP」を用いていると記載があり、複雑な信号処理が施されていると思われます。単純な特性測定ではあまり意味がないかもしれません。

▽波形・倍音(LOW 0 HIGH 0 DRIVE 50)

非対称な波形で、偶数次倍音が多いです。

▽DRIVE変化時の周波数特性(LOW 100 HIGH 100)

設定値0~100で約40dB変化します。ゲインを上げたとき低音域と高音域が少し下がるようになっているようです。

▽LOW変化時の周波数特性(HIGH 50 DRIVE 0)

100Hz付近を増幅する動きです。75あたりではやや幅広い増幅になっています。

▽HIGH変化時の周波数特性(LOW 50 DRIVE 0)

高音域が全体的に動いています。50以降では、4kHz付近がほとんど上がらないよう調節されています。

---以下2022年8月21日追記---

▽GT-1000CORE内蔵X-ODとの比較(DRIVE 0)※GT-1000COREの設定値-50~+50は0~100として記載

かなり似ていますが完全には一致していないので、内部処理が何かしら変更されていると思われます。

タグ : 市販エフェクター 歪み 波形・倍音 周波数特性 

Zoom BassDrive 特性測定

09_287_01_zbdP.jpg
Zoom製マルチエフェクターには、SansAmp Bass Driver DI(以下BDDI)のモデリングとされるBassDriveというエフェクトが内蔵されています。今回B1onを使って特性測定し、BDDI V1初期型と比較してみます。

<BASS>

概ね同じ特性となっています。

ちなみにBassDriveのMidは、歪み側(BDDIでいうチューブアンプエミュレーション回路部)の450Hzあたりを増減するようになっていて、Blendが0だと効きません。

<TREBLE>

BDDI V1初期型はTREBLEポットの片側に抵抗が入っているので、高音域側の増幅量が少なくなっています。BassDrive側を10ではなく6にすると同じような特性になりました。

<PRESENCE>

BDDIはDRIVE 0、ZoomはGain 50とし、できるだけ似せるようにしてみました。多少ズレていますが、特徴は出ているのかなという感じです。

<波形・倍音>
※周波数特性が一致していないので、あまり参考にならないかもしれません。


BDDIはPRESENCE 0%、BassDriveはPrese 0で、歪率が30%になるようゲイン調整しました。BDDIでは波形が角ばっていて、倍音構成が複雑となっています。これはオペアンプでの歪みが関係しているためだと思われます。



B1on内蔵BassDriveは、BDDI V1初期型に概ね似ているということがわかりましたが、完全に同一というわけではないようです(もちろんBDDI自体の個体差があるので何とも言えない部分もあります)。とはいえ、とりあえずBDDIと同じ雰囲気の音が出したいという場合は、手ごろでよいのではないかと思います。

タグ : 市販エフェクター 歪み 周波数特性 波形・倍音 

BOSS ML-2 Metal Core 修理・特性測定


音が出ないジャンク状態のBOSS ML-2 Metal Coreを手に入れたので、修理し特性を測定しました。中身はデジタルで、オーディオコーデックAK4552、オペアンプNJM14558、電源用ICのBD9851が見えます。基板裏にはFDR-1の文字があったので、BOSSレジェンド・シリーズのデラックス・リバーブ(販売完了品)でも同じ基板が使われていると思われます。



【修理】

Boss Pedal Serial Decoderで調べると2010年製でした。そこまで古いものではなく、ジャックやポットは問題なさそうです。LEDのオンオフは機能していたので、アナログ部分の故障が予想されます。


電圧を調べていくと、NJM14558の電源ピンが0Vに近く、そこから原因をたどっていきました。すると電源部分のトランジスタが機能していませんでした(上写真赤丸のQ13)。このトランジスタは他のBOSSエフェクターの回路図でも出てくる電圧安定化用だと思われます。手持ちに同じ大きさのトランジスタがなかったので、普通サイズ(TO-92)の2SC1815に交換しました(ビアの穴に足がなんとか入りました)。これで問題なく電圧が出力され、音も無事に出るようになり修理完了です。動作確認後、交換したトランジスタ付近はホットボンドで固めて動かないようにしておきました。



【特性測定】※各ノブの設定は最大を100として記載

▽波形・倍音

デジタルとはいえ内部プログラムでクリッピング処理を行っているはずです。ほとんど奇数次倍音なので、対称クリッピングだと思われます。

▽DIST変化時の周波数特性(LOW 100 HIGH 100)

設定値0~100で約35dB変化します。ゲインを上げたとき少しだけ高音域が下がるようになっているようです。

▽LOW変化時の周波数特性(HIGH 50 DIST 0)

50以下では低域が全体的に下がる感じですが、BOSS公式サイトに音圧感をコントロールという説明があるので、何か特別な処理が行われている可能性があります。50~75では105Hz付近をブーストする動きで、75~100は250Hz付近までを平坦にする動きに変わっています。

▽HIGH変化時の周波数特性(LOW 100 DIST 0)

3.2kHz付近をブーストする動きとなっています。50以上にすると低域も少しブーストするという不思議な動作が追加されており、これがBOSS公式サイトにある「アタックに影響しないきらびやかさ」に関係してくるのかもしれません。

---以下2023年5月20日追記---

▽GT-1000CORE内蔵MTL COREとの比較(DRIVE 0)
09_277_7mlGT.png
MTL COREは高音域が出ており、LOW、HIGHの動きもかなり違っています。

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