ZOOM U-22 分解・特性測定

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ZOOM U-22というオーディオインターフェイスを購入しました。分解・特性測定を行っておきます。



【分解】

▽中身画像 ZOOM U-22 Handy Audio Interface Gut Shots
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以下のICが確認できました。8ピンのオペアンプっぽいICの型番は読み取れませんでした。
・マイコン LPC1820FBD144
・クロックジェネレータ AK8142
・オーディオコーデック TLV320AIC3101
・電源 RT9971

絶縁型DC-DCコンバータを使った電源ではなさそうですがローノイズです。アナログGNDとデジタルGND(と思われる部分)がところどころコンデンサで繋いであるのは、ノイズ対策なのかもしれません。

OUTPUTノブは0.5dB単位で動いているようなのでおそらくデジタル制御です。GAINノブは連続的な動きなのでアナログ回路だと思われます。
※LINE IN使用時GAINノブは無効



【特性測定】

PHONES出力からLINE IN入力へステレオケーブルを接続した状態で特性を測定しました。OUTPUTノブは10です。

Windowsの場合、コントロールパネルのZOOM U-22 Control Panel(またはC:\Program Files\ZOOM\U-22 Driver\zmu22audiocp.exe)から Sampling Rate を 96000 Hz に設定しておきます。

<PHONE出力>
最大無歪出力: 約 0.7 Vrms (OUTPUTノブ 10、WaveGene振幅 -5.5dB)
出力インピーダンス: 10 Ω (マニュアルより)

<LINE IN入力>
最大無歪入力: 約 0.75 Vrms (CLIP SIGランプが赤に点灯)
入力インピーダンス: 22 kΩ (マニュアルより)

<WaveGene設定>
サンプリング周波数: 96000 ビット長: 24 チャンネル数: Stereo
・歪率測定 サイン波 100Hz 1kHz 10kHz FFT用に最適化(FFTサンプル数16384) -6dB
・周波数特性測定 ユーザー波形 FLATSWEEP_016384.WAV -6dB

WaveGeneサイトにあるサンプリングレート48kHzのユーザー波形サンプルを使っています。本来は96kHz用の波形を用意すべきですが、20kHz以上の周波数も問題ないようなのでそのまま利用しています。

<WaveSpectra設定>
Avg: 300
[FFT] サンプルデータ数: 16384 窓関数: なし(矩形)
[再生/録音] フォーマット: 96000 s/s 24 bit Stereo

※DELL製PCでドライバをMMEにした場合、周波数特性が乱れました(別の東芝製PCでは問題なし)。PCやドライバとの相性があるのかもしれません。

▽ノイズレベル(POWER SOURCE: USB)
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入力なしの時でも高域にいくつかピークが見えますが、特に問題ないでしょう。電池駆動でもほぼ同じ結果でした。

▽歪率・周波数特性
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マニュアルの周波数特性には±2 dB(20 Hz - 40 kHz)と記載がありますが、それよりも良いのではないかと思います。

タグ : 周波数特性 歪率 

Owm Pedal ハードウェア編

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STM32F405という32ビットマイコンを搭載した自作デジタルエフェクター「Owm Pedal」です。名前は同じマイコンを搭載した既存のペダル「OWL Pedal」をもじってつけました。(Owm Pedal ソフトウェア編はこちら

オーディオコーデックはCS4220のセカンドソース品V4220Mです。サンプリングレートが48kHzまでですが差動入出力で価格が安く(秋月電子で240円)、エフェクターに最適だと考えました。

▽回路図
03s_237_2owms.png
<V4220M周辺>
データシートに入出力の回路が記載してあるのですが、抵抗値はよく使う値へと変更しました。バイアス電圧用に8.25kΩの抵抗があるところは、10kΩと100kΩ2個を並列にして8.33kΩとしています。

V4220Mのデータシートでは音量等をコントロールできそうに書いてありますが、実際はできないようです。マスターモードで動作させる場合は8番(DOUT)ピンに47kΩのプルダウン抵抗を入れます。また、CS4220のデータシートには電源オン時に27番(RSTN)ピンを10msの間LOWにしておくように書いてあるため、10uFのコンデンサを入れました。4・5・8・9番ピンからマイコンへ接続しますが、通信線の長さが短いためダンピング抵抗は不要かと思います。

<電源>
電源はレギュレータで以下のように分けました。
・マイコン用→デジタル3.3V(100mA)
・V4220M用→デジタル5V(20mA) デジタル3.3V(5mA) アナログ5V(60mA)
・OPA1678×3用→アナログ5V(20mA)
アナログ5V電源は通常分離する必要はありませんが、万一問題があったとき基板発注し直すのが嫌なので分けています。

▽DSP基板(Owm Board)レイアウトについて(KiCadデータはGitHubへ)
真ん中あたりに電源、上側がデジタル、下側がアナログという配置となっています。GNDは裏面を一面プレーンにしました。入力のカップリングコンデンサはPMLCAPを使っており、やや大きくて高価ですが歪率は下がるでしょう。残念ながらBIASに接続すべきところをGNDにつなぐというありがちな間違いをしてしまいましたので、内部写真では妙なジャンパー線が写っています(KiCadデータは修正済)。

ピン間隔が狭いICはパッドを1mm程度長くすると半田付けしやすいです。マイコンのピンはほとんど使えるように引き出しました。一応I2C用にプルアップ抵抗の取り付けもできます。マイコン上側のLEDはデバッグ用のつもりです。水晶振動子周りのパターン設計は下記ページを参考にしました。
水晶振動子 ガイド - RSオンライン

▽ポット類基板レイアウト
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ポット類基板と筐体はRasPd4のものを使いまわしました。回路図は描いていません。無理やりジャンパーを飛ばしてチャタリング対策の抵抗やコンデンサを入れました。下写真のように基板を合体させます。
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とりあえず何もエフェクトをかけないスルー音が出るようにプログラミングし、周波数特性と歪率を測定しました。歪率は、クリップしない最大入力約0.7Vrmsでの結果です。
03s_237_5owmf.png
100Hzの歪率が思ったより悪いですが問題ないでしょう。ノイズも測定限界以下だったので、歪み系エフェクトでもおそらく大丈夫だと思います。

タグ : 自作エフェクター レイアウト 回路図 マイコン 周波数特性 歪率 

MOS FETリレー G3VM-21GR 特性測定

SPSTモーメンタリースイッチでエフェクトのバイパスをする場合、リレーとマイコンを使うのが簡単だと思います。しかしながらメカニカルリレーは入手性や電力消費の点でイマイチかなと考え、MOS FETリレーを試すことにしました。

MOS FETリレーはソリッドステートリレーの一種で、各メーカーで同様の商品がありますが名称が違います(フォトリレー、Photo MOSリレー等)。参考ページ→オムロン リレー 技術解説
通常のものはオン抵抗RONや端子間容量COFFが大きいため、バイパスに使用する場合はバッファーが必要となってしまいます。そこで今回は低オン抵抗・低端子間容量タイプのG3VM-21GR(RON=5Ω、COFF=1pF)というMOS FETリレーを選びました。エフェクターでよく使われる青い3PDTフットスイッチと比較検討します。
14_222_1G3VMp.jpg
G3VM-21GRは表面実装部品なので丸ピンソケットにはんだづけしました。フットスイッチは同じ大きさの黒いものも測定しましたが、青のフットスイッチと大差なかったので結果からは省いています。

ハイインピーダンス条件下での使用を考慮し、以下の接続としました。
  [擬似ギター出力]→[リレーG3VM-21GR]または[フットスイッチ]→[バッファー(入力インピーダンス1MΩ)]→[PCマイク入力]

スイッチオン時に音質が変化しないのはもちろん重要ですが、スイッチオフ時も下図のようにハイパスフィルターを形成して高域が漏れることが考えられるので、そのあたりについても確認します。
14_222_2G3VMs.png
※配線が近いだけでも容量が増加してしまうので注意が必要です。

▽結果
14_222_3G3VMd.png

<スイッチオン時の特性変化>
周波数特性はほとんど重なっていますが、よく見るとリレーでは高域が下がっています。まぁごくわずかなので大丈夫でしょう。歪率についてはほぼ変化はありません。

<スイッチオフ時の音漏れ>
リレーではオンオフの差が-21dB(10kHz)となっており、ブースターやハイゲインエフェクターでは問題が出てくるかもしれません。エフェクターに組み込んだ後、どの程度影響があるか測定する予定です。フットスイッチでもわずかに漏れがあることがわかりましたが、実際のトゥルーバイパス配線ではオフ時にエフェクト回路の入力をアースに落とすので、問題になることはないと思います。

---以下2018年6月14日追記---
14_222_4G3VMb.png
まず上図上側のバイパス方法を試しましたが、音漏れがあり発振しやすい上、切替時に少しポップノイズが出ました。その後下側の回路に変え音漏れや発振はなくなりましたが、ポップノイズは消えませんでした。スイッチングの順番をいろいろ変えてみましたがダメなようです。バッファーを入れて考え直すことにします。

タグ : 周波数特性 歪率 擬似ギター出力 

積層セラミックコンデンサの特性メモ

積層セラミックコンデンサ(MLCC)の特性については村田製作所ウェブサイトのコンデンサPLAZAに記載されています。それによると、高誘電率系MLCCは温度・時間経過・DCバイアス・AC電圧といった各条件により容量が変化してしまうということです。電源部分によく使われるMLCCですが、今回はハイパスフィルタ(HPF)・ローパスフィルタ(LPF)で使用し、さらにDCバイアス電圧をかけて特性を測定してみます。

10_191_1mlccp.jpg
今回使用したMLCCは高誘電率系の耐圧50V、F特性(JIS規格)のものです。たぶんEIA規格ではY5V特性に近いだろうと思います。実測値約94nFのもの2個を使いましたが、測定値はすぐ変動するためあまりあてになりません。比較用にフィルムコンデンサも準備しました。実測値はそれぞれ103nF、103nF、82nF(34nF+48nF並列)、82nFです。

▽回路図
10_191_2mlccs.gif
C1とC2を変更します。電圧は0V(GND)、4.5V、9Vの3パターンですが、フィルムコンデンサは電圧による容量変化がほとんどないので、0Vのみの測定です。電圧を変えてすぐは値が安定しないため、数分放置してから測定しました。PCの出力は約1Vrmsです。

▽結果
10_191_3mlcc.gif
<周波数特性>
0V、4.5Vの場合は103nFのフィルムコンデンサと比較すると高域側(LPF)で差がやや大きくなっています。9Vだと82nFのフィルムコンデンサよりズレていて、かなりの容量低下となるようです。X7R特性であればもっと容量変化は少なくなると思います。
<歪率>
バイアス電圧が高い方が歪率が悪化しています。低域は特に悪化していますが、もともとレベルが下がっている部分なので音への影響はそれほどないかもしれません。むしろ倍音が増えていい感じになるかもと思いMLCC10個直列や並列での測定もしてみましたが、歪率はほとんど変わりませんでした。

エフェクターに使うコンデンサとしてはやはりフィルムコンデンサが無難で、無理にMLCCを使う必要はないでしょう。一応省スペースで若干安いという利点はあるので、自分用のエフェクターには適宜使っていくと思います。

タグ : 周波数特性 歪率 コンデンサ 

オペアンプで音は変わるのか

他の測定でわかった通り、歪率や周波数特性の測定はあまり意味がない気がしますが、失敗例として記事にしていこうと思います。音の変化には歪率や周波数特性以外の何らかの特性が関係していて、それは結局自分の耳で確かめるしかないのだろうと思います。

サウンド・クリエイターのための電気実用講座」という書籍の中で、オペアンプの比較試聴テストについて記載があります。それによると、アナログ録音・完全なブラインドテストで、オペアンプによるサウンド・キャラクタの違いは明確にわかったとのことです。歪率や周波数特性についても違いが出てくるのか比較してみます。

使用したオペアンプは以下の3種類です。
10_186_1OPp.jpg
・NJM4558DD (1個20円)
・TL072CP (1個85円)
・OPA2134PA (1個300円)

▽回路図
10_186_2OPs.gif
電気実用講座では増幅率11倍でしたが、差が出やすいよう110倍にしました。PCの出力は約0.3Vrmsです。

▽結果 ※縦軸をかなり拡大
10_186_3OPf.gif
(10kHz付近をさらに拡大)
10_186_4OPfk.gif

4558の10kHzの歪率が少しだけ悪くなっていますが、他は差がなさそうです。周波数特性はほぼ重なりました。もっと増幅率を上げれば少しは差が出てくるかもしれません。高域では4558と072が約0.02dB下がっている程度で、ごくわずかな違いとなっています。オペアンプの性能を改めて実感しました。

タグ : 周波数特性 歪率 

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