COOLMUSIC JAMMER Looper 分解・特性測定

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現在、様々な格安エフェクターが販売されています。その中でルーパーはやや価格が高くなっており、中身が気になったので買ってみることにしました。選んだのは、独特の薄いケースが採用されているCOOLMUSIC A-LP01 JAMMER Looperです。分解・特性測定を行っておきます。



【分解】

▽中身画像 COOLMUSIC A-LP01 JAMMER Looper Gut Shots
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ケースのみの大きさは縦114mm横60mm高さ21mmです。裏フタ固定ネジは六角穴付きボルト(キャップボルト)ですが、普通のM3ネジが使えます。フットスイッチやポットは通常より高さが低くなっており、特注なのかもしれません。アナログGNDとデジタルGNDは、電源部で接続されているように見えます。

ICは以下の通りです。
・マイコン STM32F205RBT6
・オーディオコーデック TLV320AIC3104
・フラッシュメモリ MKDV4GIL-AS
・オペアンプ TL072



【特性測定】

▽周波数特性・ノイズ・歪率

低音域が少しカットされているので、どこかのコンデンサを交換すれば改善するかもしれません。録音したものを再生した時、低音域側のノイズが多くなっていますが原因不明です。

私が製作したデジタルエフェクターSodiumの方が可聴域内のノイズが少ないです。SodiumのオーディオコーデックPCM3060のSN比は99dB、TLV320AIC3104のSN比は92dBなので妥当な結果だと思います。



【内部プログラムの読み取り】

STM32CubeProgrammerを使って基板上側のJ5からマイコンへ接続してみました。接続には成功しているようですが、読み取りや消去はできませんでした。もっと技術力があれば可能かもしれませんが、マイコンを新品にした方が簡単そうです。いつか半導体不足が解消し、STM32F205RBT6が手に入ったら交換してみたいと思います。

タグ : 市販エフェクター マイコン 周波数特性 歪率 

Steinberg UR22C 分解・特性測定

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サンプリングレート192kHzでの録音環境を手に入れたかったため、Steinberg UR22Cというオーディオインターフェイスを購入しました。簡単な分解と特性測定を行っておきます。



【分解】

▽内部写真(このロシア語ページではUR44Cの内部写真が掲載されています。)
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完全な分解は行っていませんが、以下のICが確認できました。
・DSP YAMAHA YJ496
・SDRAM M12L64164A
・オーディオコーデック AK4558
・USB電源スイッチIC BD2065AFJ
・DC/DCコンバータIC NJM2374A
・オペアンプ NE5532 NJM2068 NJM4580
・スイッチング電圧レギュレータ BD9329EFJ
・USB Type-C ポート保護IC TPD6S300

Nichicon FWやELNA等、電解コンデンサにスルーホール部品が使われているのが意外でした。設計者のこだわりの部分なのかもしれません。



【特性測定】

MAIN OUTPUT LからMIC/LINE 2入力(HI-Z)へモノラルケーブルを接続した状態で特性を測定しました。おおよその絶対的電圧レベルをわかりやすくするため、出力レベルが約0.1Vrms(=-20dBV)、WaveSpectraのMax表示が-20dB(RMS表示-23dB)となるように合わせています。

<サンプリングレート設定>
dspMixFx UR-Cソフトを起動→右上の歯車のマーク→Control Panel→Steinberg UR22Cタブ→Sample Rate: 192kHz

<MAIN OUTPUT>
PC 再生VOL: 100
OUTPUTノブ: 12時
MIXノブ: DAW側最大の位置
出力インピーダンス: 150Ω(マニュアルより)

<MIC/LINE 2>
PC 録音VOL: 100
INPUT2 GAINノブ: 10時と少し(本体写真参照)
INPUT2 HI-Zスイッチ: オン
入力インピーダンス: 1MΩ(マニュアルより) 100pF(実測値)

<WaveGene設定>
サンプリング周波数: 192000 ビット長: 32 チャンネル数: Stereo
・歪率測定 サイン波 1kHz FFT用に最適化(FFTサンプル数16384) -12.7dB
・周波数特性測定 ユーザー波形 FLATSWEEP_016384.WAV -12.7dB
WaveGeneサイトにあるサンプリングレート48kHzのユーザー波形サンプルを使っています。本来は192kHz用の波形を用意すべきですが、20kHz以上の周波数も問題ないようなのでそのまま利用しています。

<WaveSpectra設定>
Rch Avg: 300
[FFT] サンプルデータ数: 16384 窓関数: なし(矩形)
[再生/録音] フォーマット: 192000 s/s 32 bit Stereo

▽歪率・ノイズレベル
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▽周波数特性
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マニュアル通り、20Hz、20kHzで-0.3dBくらいとなっています。

タグ : 周波数特性 歪率 

ZOOM U-22 分解・特性測定

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ZOOM U-22というオーディオインターフェイスを購入しました。分解・特性測定を行っておきます。



【分解】

▽中身画像 ZOOM U-22 Handy Audio Interface Gut Shots
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以下のICが確認できました。8ピンのオペアンプっぽいICの型番は読み取れませんでした。
・マイコン LPC1820FBD144
・クロックジェネレータ AK8142
・オーディオコーデック TLV320AIC3101
・電源 RT9971

絶縁型DC-DCコンバータを使った電源ではなさそうですがローノイズです。アナログGNDとデジタルGND(と思われる部分)がところどころコンデンサで繋いであるのは、ノイズ対策なのかもしれません。

OUTPUTノブは0.5dB単位で動いているようなのでおそらくデジタル制御です。GAINノブは連続的な動きなのでアナログ回路だと思われます。
※LINE IN使用時GAINノブは無効



【特性測定】

PHONES出力からLINE IN入力へステレオケーブルを接続した状態で特性を測定しました。OUTPUTノブは10です。

Windowsの場合、コントロールパネルのZOOM U-22 Control Panel(またはC:\Program Files\ZOOM\U-22 Driver\zmu22audiocp.exe)から Sampling Rate を 96000 Hz に設定しておきます。

<PHONE出力>
最大無歪出力: 約 0.7 Vrms (OUTPUTノブ 10、WaveGene振幅 -5.5dB)
出力インピーダンス: 10 Ω (マニュアルより)

<LINE IN入力>
最大無歪入力: 約 0.75 Vrms (CLIP SIGランプが赤に点灯)
入力インピーダンス: 22 kΩ (マニュアルより)

<WaveGene設定>
サンプリング周波数: 96000 ビット長: 24 チャンネル数: Stereo
・歪率測定 サイン波 100Hz 1kHz 10kHz FFT用に最適化(FFTサンプル数16384) -6dB
・周波数特性測定 ユーザー波形 FLATSWEEP_016384.WAV -6dB

WaveGeneサイトにあるサンプリングレート48kHzのユーザー波形サンプルを使っています。本来は96kHz用の波形を用意すべきですが、20kHz以上の周波数も問題ないようなのでそのまま利用しています。

<WaveSpectra設定>
Avg: 300
[FFT] サンプルデータ数: 16384 窓関数: なし(矩形)
[再生/録音] フォーマット: 96000 s/s 24 bit Stereo

※DELL製PCでドライバをMMEにした場合、周波数特性が乱れました(別の東芝製PCでは問題なし)。PCやドライバとの相性があるのかもしれません。

▽ノイズレベル(POWER SOURCE: USB)
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入力なしの時でも高域にいくつかピークが見えますが、特に問題ないでしょう。電池駆動でもほぼ同じ結果でした。

▽歪率・周波数特性
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マニュアルの周波数特性には±2 dB(20 Hz - 40 kHz)と記載がありますが、それよりも良いのではないかと思います。

タグ : 周波数特性 歪率 

Owm Pedal ハードウェア編

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STM32F405という32ビットマイコンを搭載した自作デジタルエフェクター「Owm Pedal」です。名前は同じマイコンを搭載した既存のペダル「OWL Pedal」をもじってつけました。(Owm Pedal ソフトウェア編はこちら

オーディオコーデックはCS4220のセカンドソース品V4220Mです。サンプリングレートが48kHzまでですが差動入出力で価格が安く(秋月電子で240円)、エフェクターに最適だと考えました。

▽回路図
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<V4220M周辺>
データシートに入出力の回路が記載してあるのですが、抵抗値はよく使う値へと変更しました。バイアス電圧用に8.25kΩの抵抗があるところは、10kΩと100kΩ2個を並列にして8.33kΩとしています。

V4220Mのデータシートでは音量等をコントロールできそうに書いてありますが、実際はできないようです。マスターモードで動作させる場合は8番(DOUT)ピンに47kΩのプルダウン抵抗を入れます。また、CS4220のデータシートには電源オン時に27番(RSTN)ピンを10msの間LOWにしておくように書いてあるため、10uFのコンデンサを入れました。4・5・8・9番ピンからマイコンへ接続しますが、通信線の長さが短いためダンピング抵抗は不要かと思います。

<電源>
電源はレギュレータで以下のように分けました。
・マイコン用→デジタル3.3V(100mA)
・V4220M用→デジタル5V(20mA) デジタル3.3V(5mA) アナログ5V(60mA)
・OPA1678×3用→アナログ5V(20mA)
アナログ5V電源は通常分離する必要はありませんが、万一問題があったとき基板発注し直すのが嫌なので分けています。

▽DSP基板(Owm Board)レイアウトについて(KiCadデータはGitHubへ)
真ん中あたりに電源、上側がデジタル、下側がアナログという配置となっています。GNDは裏面を一面プレーンにしました。入力のカップリングコンデンサはPMLCAPを使っており、やや大きくて高価ですが歪率は下がるでしょう。残念ながらBIASに接続すべきところをGNDにつなぐというありがちな間違いをしてしまいましたので、内部写真では妙なジャンパー線が写っています(KiCadデータは修正済)。

ピン間隔が狭いICはパッドを1mm程度長くすると半田付けしやすいです。マイコンのピンはほとんど使えるように引き出しました。一応I2C用にプルアップ抵抗の取り付けもできます。マイコン上側のLEDはデバッグ用のつもりです。水晶振動子周りのパターン設計は下記ページを参考にしました。
水晶振動子 ガイド - RSオンライン

▽ポット類基板レイアウト
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ポット類基板と筐体はRasPd4のものを使いまわしました。回路図は描いていません。無理やりジャンパーを飛ばしてチャタリング対策の抵抗やコンデンサを入れました。下写真のように基板を合体させます。
03s_237_4owmpp.jpg

とりあえず何もエフェクトをかけないスルー音が出るようにプログラミングし、周波数特性と歪率を測定しました。歪率は、クリップしない最大入力約0.7Vrmsでの結果です。
03s_237_5owmf.png
100Hzの歪率が思ったより悪いですが問題ないでしょう。ノイズも測定限界以下だったので、歪み系エフェクトでもおそらく大丈夫だと思います。

タグ : 自作エフェクター レイアウト 回路図 マイコン 周波数特性 歪率 

MOS FETリレー G3VM-21GR 特性測定

SPSTモーメンタリースイッチでエフェクトのバイパスをする場合、リレーとマイコンを使うのが簡単だと思います。しかしながらメカニカルリレーは入手性や電力消費の点でイマイチかなと考え、MOS FETリレーを試すことにしました。

MOS FETリレーはソリッドステートリレーの一種で、各メーカーで同様の商品がありますが名称が違います(フォトリレー、Photo MOSリレー等)。参考ページ→オムロン リレー 技術解説
通常のものはオン抵抗RONや端子間容量COFFが大きいため、バイパスに使用する場合はバッファーが必要となってしまいます。そこで今回は低オン抵抗・低端子間容量タイプのG3VM-21GR(RON=5Ω、COFF=1pF)というMOS FETリレーを選びました。エフェクターでよく使われる青い3PDTフットスイッチと比較検討します。
14_222_1G3VMp.jpg
G3VM-21GRは表面実装部品なので丸ピンソケットにはんだづけしました。フットスイッチは同じ大きさの黒いものも測定しましたが、青のフットスイッチと大差なかったので結果からは省いています。

ハイインピーダンス条件下での使用を考慮し、以下の接続としました。
  [擬似ギター出力]→[リレーG3VM-21GR]または[フットスイッチ]→[バッファー(入力インピーダンス1MΩ)]→[PCマイク入力]

スイッチオン時に音質が変化しないのはもちろん重要ですが、スイッチオフ時も下図のようにハイパスフィルターを形成して高域が漏れることが考えられるので、そのあたりについても確認します。
14_222_2G3VMs.png
※配線が近いだけでも容量が増加してしまうので注意が必要です。

▽結果
14_222_3G3VMd.png

<スイッチオン時の特性変化>
周波数特性はほとんど重なっていますが、よく見るとリレーでは高域が下がっています。まぁごくわずかなので大丈夫でしょう。歪率についてはほぼ変化はありません。

<スイッチオフ時の音漏れ>
リレーではオンオフの差が-21dB(10kHz)となっており、ブースターやハイゲインエフェクターでは問題が出てくるかもしれません。エフェクターに組み込んだ後、どの程度影響があるか測定する予定です。フットスイッチでもわずかに漏れがあることがわかりましたが、実際のトゥルーバイパス配線ではオフ時にエフェクト回路の入力をアースに落とすので、問題になることはないと思います。

---以下2018年6月14日追記---
14_222_4G3VMb.png
まず上図上側のバイパス方法を試しましたが、音漏れがあり発振しやすい上、切替時に少しポップノイズが出ました。その後下側の回路に変え音漏れや発振はなくなりましたが、ポップノイズは消えませんでした。スイッチングの順番をいろいろ変えてみましたがダメなようです。バッファーを入れて考え直すことにします。

タグ : 周波数特性 歪率 擬似ギター出力 

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