ビブラート/コーラス(Pure Data パッチ)
ディレイの時には[delread~]からディレイ音を出力させましたが、ディレイタイムを連続的に変化させる場合は、[vd~](variable delay)を使います。LFOで周期的にディレイタイムを変化させると、ディレイ音の音程が揺れてビブラートがかかり、原音とビブラート音を足せばコーラスとなります。
(このパッチをダウンロード)
LFOの出力はトレモロの時と同じ三角波ですが、abs関数を使うと簡単になると気づいて式を変更しました。出力範囲は0~1で、[*~ ]により振幅が調整されます。[+~ 3]を入れているのは、[vd~]の最短ディレイタイムが64サンプル分(44100サンプリング時1.5ms)となっているためで、一応余裕をみて3ms足しています。
ビブラート音をフィードバックさせればフランジャーとなりますが、いまいち数値の調整がうまくいきませんでした。今後使いたくなったときに作るかもしれません。
【depth計算について】
通常のコーラスエフェクターは、揺れのスピードを遅くすると効きが浅くなります。今回のdepthコントロールでは音程を変える幅が設定され(いわゆるデチューン機能)、rateを変更しても効果が変わらないようにしました。具体的には、最大で約25centピッチが変化するように調整しています。
詳しい原理は省くとして、例えば1000Hzの信号に可変ディレイをかけるとします。1秒間かけて徐々にディレイタイムを0から100msに変化させたとき、ディレイ音は100Hzズレて900Hzの音になります。同様に、0.5秒間かけてディレイタイムを0から25msへ変化させたとき、ディレイ音は50Hzズレて950Hzとなります。このように、比例計算によって周波数の変化幅を調節できます。

LFOの出力はトレモロの時と同じ三角波ですが、abs関数を使うと簡単になると気づいて式を変更しました。出力範囲は0~1で、[*~ ]により振幅が調整されます。[+~ 3]を入れているのは、[vd~]の最短ディレイタイムが64サンプル分(44100サンプリング時1.5ms)となっているためで、一応余裕をみて3ms足しています。
ビブラート音をフィードバックさせればフランジャーとなりますが、いまいち数値の調整がうまくいきませんでした。今後使いたくなったときに作るかもしれません。
【depth計算について】
通常のコーラスエフェクターは、揺れのスピードを遅くすると効きが浅くなります。今回のdepthコントロールでは音程を変える幅が設定され(いわゆるデチューン機能)、rateを変更しても効果が変わらないようにしました。具体的には、最大で約25centピッチが変化するように調整しています。
詳しい原理は省くとして、例えば1000Hzの信号に可変ディレイをかけるとします。1秒間かけて徐々にディレイタイムを0から100msに変化させたとき、ディレイ音は100Hzズレて900Hzの音になります。同様に、0.5秒間かけてディレイタイムを0から25msへ変化させたとき、ディレイ音は50Hzズレて950Hzとなります。このように、比例計算によって周波数の変化幅を調節できます。
ARION SCH-1 STEREO CHORUS 修理

ARION SCH-1 STEREO CHORUSをジャンクで入手したので修理しました。
ジャンク扱いの理由は「音×」となっていました。確かに一応音は出ますがガサゴソ音が出たり音が小さかったりするようです。ジャック部分を掃除して、電解コンデンサを交換するとあっさりと直りました。
私はビンテージ物に興味はないので改造しました。使わないトーン部分やステレオ機能を省き、中身がスカスカになっています。そのうちさらに改造するかもしれません。
ARION STEREO CHORUSについてメモしておきます。
現行品は型番SCH-Zでスリランカ製、以前こちらの記事で回路について書いています。SCH-ZDという代理店オリジナルのモディファイモデルも発売されています。
型番SCH-1のものは旧型で現在は製造されていませんが、いまだに人気らしいです。ケースが灰色のものが初期の日本製で、基板を見ると「PRINCE JAPAN SCH-1a」と書いてあります。ケースが黒色のものは後期のスリランカ製のようです。現在出回っているSCH-1の回路図はおそらく後期型で、私が今回入手した初期SCH-1から少し回路が変更になっています。具体的にはR60、R61、C39、C40あたりの部品が追加されています。音に関してはあまり影響はないと思います。
SCH-ZとSCH-1との大きな違いはトーン回路のようです。コーラスエフェクターは原音にビブラート音を混ぜることによって効果を得ますが、SCH-Zではビブラート音に対しトーン回路が働き、SCH-1では原音に対しトーン回路が働きます。トーン回路自体も違うものが使われています。
ARION SCH-Z改

以前作ったZombie Chorusですが、ノイズ対策の改造をしてちょっと歪んでしまっていましたので、分解して代わりに別のコーラスを入れました。
▽回路図

Garrettaudioで安く売っているV3207とV3102を使ってみたかったので、ARION SCH-Zをベースにしています。フィルター部分はBOSS CE-2をマネしました。出力が反転していますが、Small Cloneもそうなのでまぁいいでしょう。念のため音量調整トリマをつけています。トランジスタは2SC1815でもよさそうですが、レイアウトがやりにくいため2N5088です。
▽レイアウト

▽PCB(横58.4mm縦48.3mm)

MXRサイズに何とか収めました。コーラスのかかりはC16(47p)を大きくするかR19(68k)を小さくするとエグくなります。私はソケットにしておきました。クロックノイズが怖いので、ポットの配線は最短にしておきます。また、電源周辺のコンデンサを100uにしています(100uのストックがたくさんあったのもありますが)。まぁこれは47uでも大丈夫かもしれません。
音はというと、やはりARIONのものと大して変わらない気がします(今アリオンのは手元にないのでよくわかりません)。フィルター部分はCE-2なのでCE-2に近い音かもしれません(CE-2を使ったことないのでよくわかりません…)。上に書いた部品の交換でいろいろセッティングできます。部品が込み合っているのですが、クロックノイズはないようで良かったです。全体のノイズも減ったと思います。
PT2399 Chorus
Rebote Delayに使われているPT2399というディレイ専用のデジタルICがあります。これを使ってコーラスを作ってみようという案です。
コーラスは簡単に言うと「ディレイタイムを周期的に変化させるディレイ」です。単純にRebote DelayにLFO(Low Frequency Oscillator:低周波発振器)を入れてやれば出来そうな気がします。
DIYstompboxesというサイトでEcho Baseという同じ発想のエフェクターの回路図があったと思うので気になる人は探してみてください。
とりあえずブレッドボード上でPT2399のデータシートにある回路を組んでみました(ありあわせの部品なので多少値は違いますが)。でも低インピーダンスじゃないとダメみたいで前にバッファを入れます。そしてデータシートのように抵抗値とディレイタイムの関係を測定してみました(下グラフ)。

比例関係にあるのがわかります。Y軸切片からディレイタイムの最小値は約30msのようです。そこから5kΩごとに約60ms増えていく感じです。コーラスに使うにはギリギリのディレイタイムかもしれません。
抵抗値があまり0に近すぎるとノイズが入るようです。TONEPADではそこらへんを考えているのかも。あと、ディレイタイムを長くするほど、リピートを重ねるほどディレイ音が歪んできます。50kΩ(630ms)ぐらいが限度でしょう。
でLFOをつけてみます。LFOによる電圧の揺れを抵抗値の揺れに変換するわけですが、それにはトランジスタやフォトカプラが使えそうです(私もよくわかってないですが…)。
LFOはZombieChorusのを使ってみました。そしてEcho Baseに倣ってFET(2SK30ATM-GR)を使ってみました。するとコーラス音が出ました!しかしDepthのポイントがすごく狭いです(ほとんど一点)。
今度はフォトカプラ(TLP521)を使ってみました。やはりコーラス音は出るんですが、ポイントが狭いです。
どうやら結構シビアな調整が必要なようです。私はLFOのことを全くわかってないので、勉強してから再挑戦したいと思います。どうせなら変態的にしてみたいところです。
<以上2008年4月8日、以下2009年1月4日追記>
しばらく放置していましたが、Rebote Delay 2.5にEcho BaseのLFOをつけてみました。

トリマーを2kぐらいに合わせるとコーラス音が出ました。でもやっぱり普通のアナログコーラスの音のほうがいいです…トリマーなしでRebote Delay 2.5のディレイポットを使うとディレイ音にモジュレーションかかって怪しい音が出せますので、これはこれでよいかもしれません。
というわけで結局コーラスを作ることは失敗に終わりました。そのうちgarrettaudioで安く手に入るV3102とV3207を使って(できればMXRサイズで)コーラスを作ってみたいと思います。
コーラスは簡単に言うと「ディレイタイムを周期的に変化させるディレイ」です。単純にRebote DelayにLFO(Low Frequency Oscillator:低周波発振器)を入れてやれば出来そうな気がします。
DIYstompboxesというサイトでEcho Baseという同じ発想のエフェクターの回路図があったと思うので気になる人は探してみてください。
とりあえずブレッドボード上でPT2399のデータシートにある回路を組んでみました(ありあわせの部品なので多少値は違いますが)。でも低インピーダンスじゃないとダメみたいで前にバッファを入れます。そしてデータシートのように抵抗値とディレイタイムの関係を測定してみました(下グラフ)。

比例関係にあるのがわかります。Y軸切片からディレイタイムの最小値は約30msのようです。そこから5kΩごとに約60ms増えていく感じです。コーラスに使うにはギリギリのディレイタイムかもしれません。
抵抗値があまり0に近すぎるとノイズが入るようです。TONEPADではそこらへんを考えているのかも。あと、ディレイタイムを長くするほど、リピートを重ねるほどディレイ音が歪んできます。50kΩ(630ms)ぐらいが限度でしょう。
でLFOをつけてみます。LFOによる電圧の揺れを抵抗値の揺れに変換するわけですが、それにはトランジスタやフォトカプラが使えそうです(私もよくわかってないですが…)。
LFOはZombieChorusのを使ってみました。そしてEcho Baseに倣ってFET(2SK30ATM-GR)を使ってみました。するとコーラス音が出ました!しかしDepthのポイントがすごく狭いです(ほとんど一点)。
今度はフォトカプラ(TLP521)を使ってみました。やはりコーラス音は出るんですが、ポイントが狭いです。
どうやら結構シビアな調整が必要なようです。私はLFOのことを全くわかってないので、勉強してから再挑戦したいと思います。どうせなら変態的にしてみたいところです。
<以上2008年4月8日、以下2009年1月4日追記>
しばらく放置していましたが、Rebote Delay 2.5にEcho BaseのLFOをつけてみました。

トリマーを2kぐらいに合わせるとコーラス音が出ました。でもやっぱり普通のアナログコーラスの音のほうがいいです…トリマーなしでRebote Delay 2.5のディレイポットを使うとディレイ音にモジュレーションかかって怪しい音が出せますので、これはこれでよいかもしれません。
というわけで結局コーラスを作ることは失敗に終わりました。そのうちgarrettaudioで安く手に入るV3102とV3207を使って(できればMXRサイズで)コーラスを作ってみたいと思います。
タグ : コーラス
Bumper crop studio HEY VIBE

Bumper crop studioのHEY VIBEです。
▽回路図(入手できなくなったようなのでアップしておきます。2016年11月)

※Easy Vibeの回路図を参考に、LEDの向きを訂正(2017年3月)
▽レイアウト

▽PCB(横58.4mm縦48.3mm)

強引にMXRサイズに詰め込んでみました。小さいLED/Cdsじゃないと無理そうです(LED/Cdsの製作記はこちら)。しかもスイッチがあるので裏蓋も削ってなんとかしました(下写真参照)。

実は去年既に完成してたんですが、コーラスモードがいまひとつだったのでしばらく放置していました。変調感が強い気がします。まぁでもこんなもんだと思ってあきらめます。ビブラートモードはなんともいえないすごい音ですね。Bumper crop studioのサウンドサンプルの通りです。
ついに面倒になってラベルも貼ってないです。そのうちボリュームとレゾナンスをなくして組み込みなおすかもしれません。
(2016年11月9日回路図・PCB追加)